ブログ

女の子・LGBTQはスポーツなんてやるな!

あなたは女の子だから運動なんてしなくていいの

ちょっとギクってきますよね。イランは、まだこういうケースってある場所はあるんです。日本では、今はここまで酷いケースは見ませんが、このような差別は大きな問題になることがすぐにわかるでしょう。でも以前は、女性はあまりスポーツをしないのはアメリカもそうで、1970年から女性スポーツが増え今ではほぼ男女の差はありません。

なぜスポーツ・運動領域でも多様性/Diversity、公平性/Equity、包括性/Inclusion(以下英語の頭文字を取ってDEI)が重要なのか?

これはスポーツ心理学での研究分野の1つになりますので、簡単に紹介していきますね!

(私はアメリカでスポーツ心理学を教えている教員です【自己紹介】)

多様なバックグラウンドを持つ人々と効果的に働くこと

現代では、様々な社会や環境が多様に変化し、分野に影響を与え、スポーツ・運動科学では文化的な相違を認識し多様なバックグラウンドを持つ人々と効果的に働く文化的能力が求められます。それだけでなく、より包括的な環境づくりについても知っておく必要があります。アメリカなど異なる人種が住んでいる場所ではその重要性は増えるんですよ。

このDEIは道徳的権利という視点だけでなく、選手やコーチのパフォーマンス向上にも関係します。チームや組織内の民族的多様性は、集団のより良いパフォーマンスにつながるとされています。これは、多様な人がいることで、より幅広い視点が検討され、選択肢が増えることでより良い行動や決定が行えるためであると考えられ、パフォーマンスにも影響を与えます。

多様性、公平性、包括性とは?

  • 多様性:集団やチームの中に異なる特徴(人種や国籍、民族性、性別、社会階級、宗教、年齢、既婚、未婚など)を持った様々な人々が存在すること
  • 公平性:個人の目標達成や成功のために必要な資源や権利、機会を誰もが確実に与えられること。
  • 包括性:個人がありのままの自分を表現できると感じ、所属する集団やチームへの連帯感や所属感を持てるような環境や雰囲気の程度

スポーツ・運動場面でのDEIの諸問題

以下にスポーツ場面で取り上げられる6つ紹介しますね!皆さんもこのような経験はありますか?

  1. 性別

スポーツは性別役割に基づいた固定観念から男性向きであるとされてきました。そうした背景から女性や女の子は有能感や成功への期待、スポーツ参加が低いことが分かっています。また、女性のコーチや監督力も長らく過小評価されています。少しずつ変わってきましたが、まだまだですね!

  1. 知的・身体的障害

スポーツや運動は知的・身体的障害のある人々にとって障害のない人と同等またはそれ以上の自己効力感や能力の向上といった効果があります。しかし、障害のある人々がスポーツや運動に参加する機会やアクセスは周囲の理解不足や施設不足といった社会的経済的な問題によって制限されてしまっています。障害者スポーツが少しずつ以前より盛んになってきて改善はされてきていますよね。

  1. 人種と民族

人種や民族は、スポーツや運動に関して様々な影響を与えています。例えば、黒人選手は身体的に優れているが学術面では劣っていると捉えられてしまうなど。これを信じるとネガティブに働くことだってあります。よく聞くのが、

White can’t jump(白人はジャンプできない)

これはバスケットで活躍する方が黒人選手が多いことなどもあります。ホッケーは断然白人が多いなど意外と競技で違いってあるんです。

  1. セクシュアリティ

スポーツ・運動領域で最も深刻な差別や偏見のある問題の1つがセクシュアリティに対するものです。多くのLGBTQ+のアスリートやコーチは誤った知識に基づいた偏見や差別を経験し、競技内外やチームでの無理解や困難を抱えています。スポーツ選手でのゲイの選手は実は女性にも多いんです。スポーツと外れますが、アップルのCFOのティム・クックが私はゲイであると公表した時に大きなニュースにもなりました。同性愛者で結婚できるようになったのは、アメリカはオバマ大統領の時なのでまだまだ10年前ちょっととかのことですよね。

  1. 体重

肥満や太っている人は、自己管理ができないといった偏見を抱かれることも多く、体型をからかわれたりバカにされたりするという経験をしています。これは、スポーツ・運動領域の専門家自身も無意識に持ってしまいがちな偏見や先入観であると言われています。アメリカの肥満率は33%。日本は4%。大きな違いです。

  1. 文化的順応

出身地を離れて働く選手やコーチが異なる文化圏のチームに所属すると、競技内外で様々な障害や困難に直面することが分かっています。文化の違いに順応ができない場合、パフォーマンスの低下や競技継続の困難、早期引退などにつながるとされています。例えば、日本人選手がアメリカに来てプレーをする。言語も違えば文化も違う。食生活も違うと多くの文化の違いに直面します。これを乗り越えることで初めてベストのプレーが出せます。

まとめ

DEIな環境をつくるためには、以下の3つが特に大事です。

  1. 文化的違いに気付きそれを受容する(自分の持っている偏見を内省し違いに敏感になる)
  2. 文化的能力のある伝達者となりより良い環境を作る(性差別のない言葉を用いる、不適切な冗談を避ける等)
  3. 文化的能力のある介入をすること(介入を行う際には文化に基づいた集団の特徴について検討する等)

文化的能力があるということは包括的な環境を構築するための土台となります。海外で活躍を目指す。海外で順応する。また日本でも他民族のチームを上手に率いるなど、この内容は良いコーチにとって間違いなく必要な項目になりますよ。

もっとスポーツ心理学について学びたい場合は、

無料のスポーツ心理学の攻略ガイドや学ぶ方法などスポーツ心理学に関する情報は以下からご覧くださいね!

イワツキ(自己紹介

PAGE TOP