「え〜、プレッシャーは良いって前のブログで言ったのに、負けないってなんだ?」
っと思った方がいらっしゃったかもしれません。
(こちらのブログ「プレッシャーは悪いのか」を先に読まれてからの方がわかりやすいです。)
➡︎アメリカでスポーツ心理学を教える大学教員でYouTuber(自己紹介)
プレッシャー(緊張など)がかかることがある読者様に質問させて下さい。
自分が何か練習するときに、プレッシャーをかけて練習していますでしょうか?(スポーツ、プレゼン..)
練習で、選手、生徒、子供達(学習者)にプレッシャーがかかるようにしていますでしょうか?
練習方法を変えて、
大幅に試合でのパフォーマンスが上がったバスケットボール部の例をあげてから、いろんな練習で出来ることをご紹介しますね!
(緊張するプレゼンへの準備方法は今度にしますね。今日はスポーツ1本勝負で行きます!)
この大学に雇われたコーチの練習方法はなかなか面白いですよ!
ロジャーリード(Roger Reed)というバスケットボールの監督が、
南ユタ大学(Southern Utah University)で行った練習についてです。
スポーツ心理学・メンタルの極意 的に
素晴らしいです。
このチームは、Reed監督が雇われたときに、
全米大学体育協会(National Collegiate Athletic Association – NCAA)
のチームの中で、
フリースローでの入る確率が全米で217位でした。
あまり良くないですよね。
あまりチームも強くはありませんでした。
当たり前といえば当たり前の考え方が、
フリースローの確率を上げて、このチームをアメリカのトップの大学チームに引っ張りました。
大事なアイディアはこうです。
「試合で体験する雰囲気を練習で作っていかないとダメ」です。
ここで言う、プレッシャーをかけるやあえて緊張させるですね。
考えてみたら当たり前ですよね?
このチームのフリースローの練習はこの監督が来る前はこうでした。
練習後に、各自がフリースローの練習を合同練習の後に行う
というものでした。
フリースローなんて各自で練習できますもんね。
一見、いや全然それでいいじゃん!って思うかもしれません。
彼がやった練習方法はこうです。
練習中にいきなり笛を吹きます。
ランダムで1人フリースローを練習中に打つ選手を選びます。
そして、彼が外したら連帯責任でチーム全員がダッシュをするというものです。
そんなのが練習にいろんなところで組み込んでいくというものです。
どうでしょうか?
(実際どれくらい笛を吹いていたのかわかりませんが、やったことはすぐにわかりますよね。)
意外と、シンプルっていえば、シンプルですよね。
でも、もし自分がシュートして、外したら連帯責任で走るなんてなかなか緊張しますよね。
緊張するっていう感情が作られますよね?
プレッシャーが練習中にかかりますよね?
そうなんですよ。
そこが、大事なポイントなんです。
練習で緊張する・プレッシャーがかかる場面を意図的に作ってあげることなんです。
これはスポーツ心理学的、メンタルトレーニング的にいえば、
よくやった!という練習方法になります。
もう一度お伝えすると、
「試合で経験する雰囲気を練習で作っていかないとダメ」です。
英語で、これをよく耳にします。
Closing the gap between practice and game/match
「練習と試合のギャップを無くしなさい」です!
確かに、練習と試合を分けて考えてはいけないですよね!
同等に考えないとダメなんです。
全てのスポーツで考えられますよね。本当に全てです。
考えられないスポーツはありません(あったら、教えてください)。
本当に長々な文章になるのは嫌なので、サッカーとテニスの例だけにします。
テニスとサッカー以外の大丈夫ですか?もう終わりーってなってませんか?笑
無限に練習方法が出てきますが、1つ例を上げてみましょうか。
ではサッカーの練習方法を1つ。
ペナルティーキックはどうしても緊張しますよね。
5対0で勝っていて回ってくるペナルティーキック(PK)の想像はやめてください!
また、PKは入れて当然っていうところも緊張させませんか?
だって、入れても特になんとも思われなくて
外したらダメなんですよ。
名前は出しませんが、日本もPKで負けた苦い試合がありましたよね。
誰が入れたか覚えていますか?多分、覚えていないと思いますよ。
外した選手の名前を苦くも、覚えていませんでしょうか?
では、
例えば、PK外したらランニング。ダッシュ。
なんのも走るの嫌いな人だったら、すぐにでもプレッシャーかかりますよね。
PKの平均成功率は80%程度だそうです。
例えば、サッカーは11人スタメンとして入るので、1人キーパー。
もし、10人が蹴って、8人以上決めることが出来なかった場合、10人が連帯責任で何かするとかもなかなかプレッシャーかかりませんか?
外した人が罰で単独で何かをする。でも良いんですよ。
でも、例えば同点で後半の終わりくらいにしましょうか。
0−1でPK回ってきたとします。
絶対入れて、延長戦に持っていきたいですよね。
延長戦終わった後のPKでもいいですよ。入らなかったら負けですよね?
なので、それくらい緊張させる状況を練習で入れるだけなんです。
え?それだけ?かも知れないのですが、
これが以外と抜けてたりすることもあったりするんですよ。
練習終わったり、練習中にプレッシャーのない中で練習するのはあまり効果的とは言えないですよね?
特にレベルが上がれば上がるほど、ボールの蹴り方くらいみんな知ってますから。
次は、テニス。
(ごめんなさいね、テニスは好きなので、必ず入れます笑)
セカンドサーブってどうも緊張しませんか?
ここで私が言いたいのは大事なポイントでのセカンドサービスです。
1セット目をとって、もうセカンド4−0とかでリードしてるみたいな状況を想像するのはズルですよ!
5−5の30−40とでもしましょうか。それで、セカンドサーブ。
(テニスを知らない方へ:大事なポイントとでも思ってくださいませ)
緊張する・プレッシャーかかりますよね?
全くしない場合。
読者様。なかなかのメンタルの持ち主ですよ!強心臓ってやつですね。
もう、スポーツ心理学・メンタルトレーニングのマスターされた方かもしれないですね!
例えば、練習でじゃーセカンドサービスを外したら
ジャンプ10回(もっと罰を重くしてもいいです)。
連帯責任なんかにしたら、もうヒヤヒヤものですよ笑
私もテニスの授業を初心者に教えているときにやったりしましたよ。
24人くらいが受講していたでしょうか。
数週間経って、「では、サーブの練習をしましょう」ってなりますよね。
さあ、セカンドサービスです。
何回もサーブを練習させてサービスというものがわかってきた後ですよ。
そこで、
カゴの中にボールがなくなってきた時とかにやるんですよ笑
入った人はボール片付けなくてよくて、片付けている人をただリラックスしながら見ている。
入らなかった人は、ボールを全員が打ち終わったらダッシュで拾い始める。
ただこれだけです。
これ、かなり盛り上がるんですよ。
まず、みんなボールを打ちたがりません笑
少し経験ある人へ「じゃー、お前行けよ」ってなるんですよ。
2つのパターンが出てきます。
- ゆっくり入れに打つ人。
- 普通に打つ人。
- (稀に、いつもより速いだろ、っていう生徒もいます。)
もしゆっくり打ったらそれは「ズルイので」でやり直させてください。
みんな、「そっかー、こうやってやらないといけないんだ」ってのがわかりますから。
あまり長くなるのは嫌なので短くまとめます。
入った人が多すぎて、ボールを拾わないといけない人があまりにも少なくて可愛そうに見えたら、
入った学生に、「じゃー優しい人は手伝ってね」っと伝えてください。
必ず何人かは必ず手伝いますから。
もちろん、コーチで入っている場合は、一緒に拾ってあげてくださいね笑
そこで見てリラックスしてたら、なかなか性格の悪いコーチですよ。
だって、大学の初心者のテニスを受講しているただの授業ですから。
楽しんでもらったら、それでよし!のような授業ですよね。
でも、安心してください。
結構多くの人が入らないので、ボール拾う人があまりいなくなるのは、私の経験ではあまりないです。20人くらいに見られていて、1人が打つだけでもかなり学生は緊張するのがよくわかりますよ。
レベルが高いテニスの選手へ戻って
5−5の30−40でダブルフォルトして、負けたらかなり後悔しませんか?
なんで入らなかったんだろうって。
プレッシャーをかけていっぱい練習したけど、入らなかった。
それはしょうがないです。
パフォーマンスは上がったり下がったりするもんですから。
でもそーゆー練習を組み込まないでプレッシャーにやられて入らなかった場合。
それは、未然に練習から防ぐことの出来たミス(ダブルフォルト)ではないでしょうか?
読者様、どう思いますでしょうか?
こんな事を、スポーツ心理学やメンタルトレーニングの授業でお話ししています。
「あがってしまう」
読者様もよく耳にする言葉ですよね。
緊張してびっくりするくらいのミスをしてしまうことは
「あがり (Choking under pressure)」
と言われています。大事な事としては
試合で経験する雰囲気(プレッシャー・緊張)を練習で作っていかないとダメ」
です。コーチの皆様。教員で顧問をしている読者様。
スポーツが大好きな読者様(ゴルフ好きはここにはいないでしょうか?)。
いるのがわかっていて聞かせてもらっています。
少し緊張する場面を作ってあげてください。選手にも。もちろん読者様にもです。
FBIもやっています。軍隊もやっていますよ。
シュミレーションのトレーニングで銃で撃たれたらどうするか?
どうやって人を助けるか?
こんな場面は、スポーツなんかと比べ物にならないくらい緊張しますよね。
人の命・自分の命がかかっていますから。
全く同じ状況を完全に作り出すのは、無理です(無理な時が多いでしょう)。
(誰も本当に練習で銃を打ち合ったりするバカはいません)
でも
似たようなプレッシャーをかける状況が、本番の準備に有効なのは、間違いなく正しい事実なんです。
これで、今日から、間違いなく、
読者様がプレッシャーをかける練習方法に関する
アイディアが広がったんじゃないかなと私は思っていますよ。
明日の練習どうしましょうか?
ちょっと心理的に追い込めますよね(心理的な負荷)?
あえて、練習でプレッシャーをかけて失敗させて下さい。
(***自信喪失に繋がる可能性がありますので、試合の直前などではやめてくださいね。)
こんなスポーツ心理学とメンタルトレーニングのお話でした。
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ひろ / Hiro / 岩月猛泰