2つの考え方はスポーツ心理学や運動学習・制御の、大事な理論からきています。考え方は、真逆ですよね↓
- 集中しすぎてしまう(考えすぎてしまう)
- 集中することが出来ない(かなり気が散ってしまう)
いろんな理論があるのですが、正直なところ簡単にまとめるとこの2つです。
今回は、なぜプレッシャーや緊張で失敗してしまう理由をお話します。これを知ることによって、どんなことをしたら良いのか?どんな対策をして行こうか?と繋がっていきます。
まず、改善するためには、原因を知る!ですね。それでは、スポーツ心理学の領域をお借りして、お話しします。
(今回は、気持ち長いので、5分くらいかかるとお考えくださいませ)
1. 集中しすぎてしまう(考えすぎてしまう)
自分の得意なスポーツの動作を考えてみてください。
サッカーのボールの蹴り方。野球のスイング。テニスのフォアハンド。
皆様は、今どのように自分がボールを蹴っているか(サッカー)
どのようにバットをスイングしているか(野球)
どのようにフォアハンドを打っているか(テニス)
考えなくても出来るでしょう。
考えなくても出来るということは、皆様はそこまで意識的に動きを考えなくても動作を作り出すことが出来るのです。
最初は、どうだったでしょうか?
最初の素人だった時は、色々とステップを考えないと1つの動作がこなせなかったのではないでしょうか?
プレッシャーや緊張の場面に起こってしまう現象はこうです。
ここぞ!という自分が最大限の力を出したいときに不安になった場合、その動作を成功させたいために、どのようにその動作をこなすか(蹴り方、スイング方法、打ち方)を考えやすくなります。
その理由は失敗したくないからです。
考えなくても出来ることを、考えてしまうのです。
これは、本当に皮肉なことないのです。考えなくて今まで通り、やっていれば良いものの、それが出来なくなってしまうのです。
そこまで科学的にお話することはここでは、する気は全くありませんが、
私たちはものを考えるときに前頭前皮質を使っています。
これには限りがあるのです。なので、どのように打つなど考えすぎてしまうと、ここが容量オーバーになって、
本来の動きが出せないとでも思ってください。
考えながら、動作すること。
考えずに、(同じ)動作をすること。
これが熟練者の方だと、微妙な変化が大きな違いを生み出してしまうのです。
例えば、ゴルフで考えてみましょう。
当たった場所が「数ミリ違うだけ」でも、飛んでいくボールの方向はまっすぐか、曲がってしまうと変わってしまうのです。
数ミリですよ。なので、少しの違いが大きな違いになってしまうことは、びっくりすることではないのです。
例えば、私たちは歩き方を考えずに歩くことが出来ます。
(怪我しているリハビリなどの場合などは別)
行進など、人に見られているときに、
手と足が同じタイミング(右足が出て、右手が出るなど)で動いていた人など見たことありませんでしょうか?
もしくは、その経験がありませんか?
何も考えずに歩いている場合にそんなことは起こりません。
でも、かっこよく上手に歩きたい、など歩き方に注意を向けると、これが考えながら動作するということになります。場合になっては、動きがおかしくなってしまうのです。
この考えすぎることによって失敗してしまうことを
分析による麻痺(Paralysis by analysis)
なんて言われたりしています。
この不安になって、そのために「自分の動作に考えなくても良いのに、考えてしまう」ことはわかりましたでしょうか?
成功したいために、考えている。でも。それが失敗につながってしまうということは本当に皮肉なのです。
例えば、そういうときに、考えるな!と行って考えなければ良いのですが、意外と考えるなと言われると、忘れることを考えないといけないので、頭から離れないことがあるのです。
その対処方法として、例えば、
どこに打つか・蹴るかなど結果を考えることに集中してあげる。
どこにボールを蹴ろうか。どこにボールを打とうか。
そのような意識の変化がこの「分析しての麻痺」を回避してくれたりするのです。
ここでは、長くお話はしませんが、これの内容に関してもまた、違うブログでしっかりとお話していきます。
どうでしょうか?ご理解頂けましたでしょうか?
それでは次。
2. 集中しすぎてしまう(考えすぎてしまう)
これは、不安になったときに起こったりします。
1つわかりやすい例をあげますね。
129 + 272 =
これはいつくでしょうか?
(解いてから下見てくださいね!)
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401
ですね。
では、次の問題を
今日のお昼ご飯に何を食べる・もしくは何を食べたのか考えながら
解いてください。
376 + 247 =
(解いてから下見てくださいね!)
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623
です。
どうでしたか?違いを感じましたでしょうか?
お昼ご飯を考えながらではなく、何も考えずにやった場合はズルですよ!
しっかり考えた場合。
2つ目の方が難しくなかったでしょうか?
1つ以上のことに意識を置くのはとても私たち人間にとって大変なことなのです。
前頭前皮質を、使うというのは簡単にお伝えしましたね。
考えすぎてしまうと、ここが容量オーバーになってしまうでした。
まさに、お昼ご飯の事を考えながら、計算するのは2つのことに集中しないと行けないので、非常に難しいのです。
自分の意識を計算→昼→計算→昼とスイッチさせていたことと思いますよ。色々な考え方がありますが、同時に2つのことを考えることは非常に難しいです。
考え方によっては、無理という考えもあります。
急激に早いスイッチで切り替えれば、可能とお伝えしましょうか。そうした場合、結局は意識を向けているのは1つなのです。
さて、運動に戻りましょう。例えば、
プレッシャー、緊張や不安で、試合の結果ばかり気になった場合。
このポイント落としたらどうしよう…
このゲーム落としてたらどうしよう…
このキック失敗したらどうしよう…
ここで打てなかったらどうしよう…
これ負けたら全国大会いけない…
こんなことばかり考えすぎると、容量オーバーになってしまう現象が想像できませんか?
多分、色々と考えながら読まれている読書様は、
いや、もし自分の知っている動作であれば考えなくても出来るから、不安で結果など考えていたとしても、動作はこなせるべきじゃないのか?
と考えていた読者様がいたかもしれません。
鋭いですね!素晴らしい考察力です!
でも考えなくても良い「熟達したスキル」でさえ、私たち人間は、動きをする(スイング、キックなど)ときに、頭を使っているのです。
詳しく言えば、前頭前皮質が働いているのです。
なので、色々考えてしまうことは、前頭前皮質の容量オーバーになってしまう可能性をあげるのです。容量オーバーしてしまうと、出したいパフォーマンスが出せなかったり、動きが変わってきたりしてしまうのです。
ここでは書きませんが、自信がなくなって、不安が一気に高まって、パーフォーマンスが落ちてしまうというのも、もちろんあることです。
自信がなくなる → 不安
不安 → 思った動作が出来なくなる
環境・状況の変化(大事なポイントなど)が、心理的な変化担って、体に変化を与えるのはごく普通なことなのです。
詳しくお伝えすると、どのような心理的変化がどのように運動に違いを出し、その結果、どのようなパフォーマンスが出ることになるのか?
なんていったお話はとても多くあるのです。
スポーツ心理学は、このような心理的な変化がどのようにパフォーマンスに影響を与えるのか。メンタルトレーニングでもお話が出来ますよね。
さて、まとめると
- 集中しすぎてしまう(考えすぎてしまう)
- 集中することが出来ない(かなり気が散ってしまう)
この真逆の考え方なのですが、(基本的には)2つですね。
でもどちらも似ているのは、考えることによって運動に違いを生み出してしまい(そう、皮肉ですよね)、パフォーマンスが変わってしまうというお話でした。
1つ目は、面白いですが、
「考えながら、動作をすること」と
「考えずに、動作をすること」。
これには、大きな違いがあるということをお伝えしましたね。
私たちは何かスキルを学ぶときには、基本的には考えならが学んでいきます。
そして、上手になると考えなくても、出来るようになります。
しかし、不安などで考えなくても出来ることを、「失敗したくないので、どうやってやるか」を考えてしまう。その結果、少し運動のレベルが初心者とは言わないが、熟練者から、中級者に落ちてしまったとお伝えしましょうか。
そして、パフォーマンスが落ちてしまうのです。
今回のお話は、皆様読者様の為になったでしょうか?少しでも運動を考えるお役に立てましたでしょうか?
うん、うん、と頷いて貰えていると嬉しいです。
緊張やプレッシャーに負けない練習方法に関する内容に興味のある方は、
下にリンクを貼っておきますので、覗いてみてください。
今回も、この内容がスポーツ心理学・メンタルトレーニングに関する
「読者様への文章のプレゼント」
になってたことを願っております。
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ひろ / 岩月 / Hiro